この発言甘いと思わないかい。
平和な国だよね日本は!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「尖閣」強硬発言は中国政府の「悲鳴」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
阿比留 瑠比
尖閣諸島(沖縄県石垣市)への領土的野心をあらわに日本を挑発し、非難
し続ける中国の論理展開がずっと腑に落ちなかった。ただ最近、これは国
内外の問題をうまく処理できずにいる中国の「悲鳴」のようなものなのだ
ろうと、ひとまず得心した。
中国政府高官らは「日本が盗み取った」(李克強首相)、「日本の行動
(尖閣国有化)は戦後の国際秩序と原則への重大な挑戦だ」(楊潔●国務
委員)などと、激しい言葉で国際社会に訴えている。
だが、日本は日清戦争以前から尖閣諸島をどの国も支配していないことを
10年間も確認した後、国際法の要件を満たして1895年に領土に編入し
た。中国が領有権を言い出したのは、それから70年以上もたった1970年代
以降、東シナ海に石油埋蔵の可能性が指摘された後のことだ。
尖閣諸島のうち昨年9月に国有化したのは魚釣島など3島だが、大正島な
どはもともと一貫して国が保有してきた。なぜ今回の国有化に限って反発
するのか。
また、先の大戦後の日本の領土を法的に確認したサンフランシスコ平和条
約で、尖閣諸島は南西諸島の一部と認められている。戦後の国際秩序に挑
戦しているのは、むしろ中国の方ではないか。
外務省国際法局関係者は、中国の矛盾と一貫性のなさをこう指摘する。
「中国は最近、尖閣諸島のことを『神聖な領土』と言い出した。だが大東
亜戦争後、尖閣諸島を在日米軍が訓練用の射爆撃場として使用してきたこ
とに対しても、中国はほとんど抗議すらしてこなかった」
かように中国の論理は粗雑にすぎる。果たして俗に言う「嘘も100回言
えば真実になる」効果を狙っているのか。それとも言い募っているうち
に、自分でも本当にそうだと信じ込んでしまったのか−。
「中国要人の言葉は、世論を意識した国内向けだ。ただ、彼らは日本の主
張や日本側の資料をよく知らないので、本当にそう思い込んでいる部分も
ある」
対中交渉経験がある外務省幹部はこう分析した上で「いずれにしろ、彼ら
が強い言葉を使うのは、国内統治と国際関係への自信のなさの表れだ」と
強調する。
実際、中国のプロパガンダは功を奏していない。米国のオバマ大統領は今
月5日の安倍晋三首相との会談で尖閣諸島に関し、「力による現状変更」
に反対する考えを伝え、中国を牽制(けんせい)した。それに先立ち先月
来日した共和党の重鎮、マケイン上院議員も「尖閣は日本の領土」と明言
した。
とはいえ、日本側の足元も実は危うい。内閣府が先月発表した尖閣諸島に
関する世論調査によると、「戦前、日本人が居住していた」ことや「日本
が有効に支配しており、解決すべき領有権問題は存在しない」ことを知る
人は5割前後にとどまり、国民の問題意識は必ずしも高くない。
政府は尖閣諸島をはじめわが国の領土について、国際広報の強化だけでな
く国内での教育、周知活動をてこ入れしなければ、いつか中国に足をすく
われかねない。(政治部編集委員)
産経ニュース 【阿比留瑠比の極言御免】2013.9.19 12:14