牛の天敵「サシバエ」の捕獲装置を開発
鳥取県や紙器加工業の「サンバック」(倉吉市長坂町)などが、年の天敵である吸血性害虫の「サシバエ」を捕獲する装置「モウ安心」を開発した。装置はサシバエだけを効率よく捕一獲することができ、畜産農家を悩ませていたサシバエ駆除に威力を発揮しそうだ。
装置の開発は、県立農業大学校(倉吉市関金町大鳥居)の沢英夫教授が、畜産農家から「サシバエ被害に困っているという話を聞いたのがきっかけ。
サシバエの生態を確認するため、殺虫剤や防除ネットでの駆除を試みたが、効果はみられなかった。沢教授は、サシバエは黒い物体に寄って、周辺を旋回する傾向があるというデータを基に、黒色の立体物を作製。畜産農家の協力を得て調査したところ、多くのサシバエの捕獲に成功した。
さらに、白色の立体物や黒色の平面物との比較実験も行い、黒色の立体物が最も効果的だという結論に至った。
結果を受け、サンバックや県産業技術センター(鳥取市)、地元の工業デザイナーが商品化に着手。試作品の作製と実験を練り返し、最終的に高さ約36センチの黒い円柱状の紙材に透明フィルムを貼り付けた「モウ安心」が完成した
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本体各10枚と粘着シート100枚で3万5千円(税別)で販売。サンバックの森和実会長は「サシバエを駆除することで、牛のストレス解消につながる。飼育に役立ててほしい」と期待し、希望者にはサンプルを提供するという。
県は立体形状の捕獲装置で黒色の粘着シートを組み合わせ、効率的にサシバエだけを捕獲できるとして特許出願中。沢教授は「今後も改良を加え、牛が安心して過ごせる環境をつくりたい」と話している。
製造販売:(有)サンパック
〒682-0835 鳥取県倉吉市長坂町722-1
TEL : 0858-28-5461
平井知事で有名な鳥取県も絡んでいます。